湘南で自然栽培の野菜を作っている高木です。妻と1歳の子供の3人家族です。
岩手県の山奥で育ち、おじいちゃんおばあちゃんが楽しそうに畑仕事をしているのを見て育ちました。
高校卒業後、上京して営業の仕事に就きましたが、毎日の仕事に忙殺され体も心も疲弊していました…。
結婚して数年経った頃、都内から自然豊かな湘南への引っ越しを決意。仕事も思い切って辞め、退職後の1年間はゆっくり休んで自分が本当にやりたいことを見つめ直しました。
幼い頃の思い出を振り返ったときに、やっぱり自然の中で働きたいと思い、畑仕事(農業)に立ち戻りました。
研修先の農家さんが自然栽培を取り入れており、根幹にある考え方に非常に共感しました。人間が余計なことをしない、自然のサイクルを大切にする、土作りが大事、など。たかぎさんちの畑でも再現していきたいと思っています。自然相手のことなのでうまくいかないこともありますが、試行錯誤しながら取り組んでいる毎日です。
農薬も肥料も使わない、本来の美味しさがつまった自然栽培の野菜を、ぜひたくさんの方に味わっていただけたら嬉しいです。
@点と線写真
代表 高木なおかず
「自然栽培」とは自然の力を引きだす永続的かつ体系的な農業方式の呼称です。肥料・農薬には頼らず植物と土の本来持つ力を引き出す農業です。
農薬はもちろんのこと、化学肥料や有機肥料(堆肥や家畜の糞尿など)も使用しません。雑草を枯らす除草剤も撒かないため、たかぎさんちの畑は雑草が生い茂っています。
草がボーボーの畑で本当に野菜が作れるの?とびっくりされるかもしれませんが、栽培に必要な条件が揃えばしっかり育ちます。ゆっくりじっくり育つため、野菜の味がぎゅっと凝縮され本当に美味しいです。
畑の土に合う野菜、合わない野菜があるので全ての野菜を栽培できるわけではありませんが、植物の本来の生き方に向き合って栽培することも自然栽培の醍醐味でもあります。
日本で最も一般的な栽培方法は「慣行栽培」と言われています。農薬や肥料を使用しながら、効率良く大量に野菜を作ることができます。スーパーで販売されているのはほとんどが慣行栽培で作られた野菜です。
オーガニック食品店などでよく見かける「有機栽培」は、使える農薬が制限されており、化学肥料を使わず有機肥料のみを使用します。有機でも無農薬のものもあれば、微量の農薬を使っているものもあり、消費者にとって判断しにくい表記となっているのが現状です。
慣行栽培は収穫量は多く、生育期間は短く栽培できます。一方で自然栽培は収穫量はやや少なく、生育期間は長いです。
「自然栽培」という言葉は明確な定義がありません。農家さんによって栽培方法やこだわりも様々です。正解のない世界なので、私たちなりの解釈で日々自然と向き合っています。
私たちが大事にしているのは、土作りと環境を整えることです。野菜作りに適している土は微生物の動きが活発であること。そのためには雑草も大切な存在です。雑草と野菜の根っこは共生関係にあります。自然のサイクルが整っていると、虫が葉っぱを食べてしまうこともありません。
自然栽培はまだまだ発展途上の栽培方法です。しかし、これからの農業のスタンダードになっていくと信じています。そのためにも、日々楽しみながら研究し、実践していけたらと思っています。